【ソムメモ】「ワインセラーがなくても大丈夫!」 自宅でワインを美味しく保つための保管方法
ワインは生き物?
ワインは、熟成期間や保管方法によって味わいや香りが変化する、非常にデリケートな飲み物です。そのため「ワインは生き物である」と表現されることもあります。
生き物を育てるのに、一番重要なことはその生き物に適した飼育環境を整えることです。ワインも同様に白ワイン、赤ワイン、スパークリングワインとそれぞれに適した保管方法があります。
大切な人へワインをプレゼントする際はもちろん、自分用に奮発して買ったワインは最も美味しい状態で飲みたいですよね?
「でも、ワインの保管はなんだか大掛かりで難しそう・・」
「自宅にワインセラーはないし、置くスペースもない・・」
「ワインを預けられるサービスもあるけれど、費用がかかるなぁ・・」
今回の記事では、こういった事を感じている方には是非お読み頂きたい内容になっています。大した手間もかけず、出費も最小限に、少しの知識を知ってもらうだけで、自宅でも簡単にワインを適切に保管できるようになります。
自宅にワインセラーがなくても、大丈夫!
美味しくワインを保つための条件と種類別の最適な方法をお伝えします。
具体的な保管方法の条件は以下の4つです。
①温度
②湿度
③場所
④置き方
順番に詳しく解説していきます。
押さえてほしい4つの条件
①温度を一定にする
最も重要なポイントです。ワインは温度による変化が激しい飲み物です。ワインを短期間であっても、自宅に保管する際、最低限、保管する際の温度には気をつけましょう。
ワインを保管する際のベストな温度帯は、13〜18℃(55〜64°F)です。この範囲内では、ワインの品質が最も良く保たれ、風味が劣化することが少なくなります。また、温度の変化が少ない環境が望ましいため、温度は安定していることが重要です。
温度が低すぎる場合、ワインの味や香りが失われることがあります。一方、温度が高すぎる場合、ワインが劣化し、風味が損なわれる可能性があります。
また、温度変化が激しい場合は、ワインの品質が損なわれることがあります。
「そうはいっても、13〜18℃で保管し続けるのが難しい・・・」
確かに13〜18℃を自宅でキープし続けるのは難易度が高いでしょう。最も大事なことは、13〜18℃の間でなくとも、温度変化を起こさないようにすることです。
極端な話、ワインのタイプや作り方によっても若干変わりますが、0度以下や40度を超える環境でなければ、数ヶ月-1年くらいはワインの品質にはさほど問題はありません。
自宅内であれば、0度以下や40度を超えるということはまずないと思いますので、あまり神経質になりすぎなくても大丈夫です。
ですが、温度の変化が常にある状態で保管をすると、ワインの品質はすぐに落ちる可能性があります。
例えば、キッチンのガスコンロの近くであったり、エアコンの風やストーブの熱が直接当たる場所、玄関やベランダ近くで外気に当たりやすい場所など、こうした所では、常に空気が対流しており、温度が変わりやすいので、ワインを保管する場所としてはオススメしません。
オススメの場所としては、エアコンが付いている部屋で風の当たらない場所や、冷蔵庫でも、あまり頻繁に開け閉めをしないような箇所か、野菜室のような冷気が直接当たらない所が良いでしょう。
また、室内であれば、ワインを保管するスペースやワインボトルを箱や仕切りなどで囲むことで、より温度を一定に保つことができます。エアコンを付けっぱなしにしなくとも、温度変化を和らげることができます。箱や仕切りはダンボールでも大丈夫ですが、ダンボールはカビが生える可能性もあるので、木箱やプラスチック製のラックなどのほうが良いかと思います。
ダンボールで届いたワインをそのまま置いておくのではなく、上記のように少し工夫することで、より美味しくワインを楽しむことができます。
温度は、自宅でワインを適切に保管する際、最も重要なポイントになりますので、是非ご参考いただければと思います。
②湿度を一定にする
温度の次に、ワインを保管する際に気を付けるポイントは湿度を一定にするということです。
ワインを保管する際のベストな湿度は一般的に70%くらいが良いと言われます。
ただ、一定といっても、湿度は天候や季節によって、かなり変化するので、完璧に一定にしなければならないということではありません。
理想は70%くらいですが、50-80%の間であれば、そこまで過敏に気にする必要はないかと思います。
湿度を一定に保つことのメリットは、ワインのキャップ(コルク)がしっかり密閉され、空気が入り込まないようにすることができる点です。空気がワインに入り込むと、酸化が進み、風味や香りが損なわれ、最終的にワインの品質が劣化してしまいます。適切な湿度を保つことで、ワインのキャップが乾燥しないようにし、密閉性を保つことができます。
また、湿度が低い場合、ワインのキャップが乾燥して縮んでしまい、空気が入り込む可能性が高まります。
逆に湿度が高い場合、カビや菌が繁殖し、ワインの品質を損なう恐れがあります。適切な湿度を保つことで、これらの問題を回避することができます。
適切な湿度の管理方法としては、ワインセラーを使う方法が最も一般的です。
ワインセラーは、温度や湿度を自動的に制御することができ、長期間の保管に最適な環境を提供してくれます。また、ワインセラーは、外部からの振動や光を防ぐことができ、ワインの品質を守ることができます。
しかし、ワインセラーを購入することができない場合でも、加湿器や空気清浄機の加湿機能で自宅で湿度を一定に保つ方法もあります。
加湿器や空気清浄機の加湿機能を使う際は、同時に、湿度計を使って湿度を常に確認し、適切な湿度を維持するようにしましょう。
何もしないと室内の湿度は季節によって数十%くらいは変化するので、特に冬場は必須といえます。冬場ですと地域にもよりますが、湿度が10%台になることもありますので、注意が必要です。
③光:直射日光は避けて!
ワインを保管する際に、光による影響は非常に大きいです。
光には紫外線が含まれており、これがワインの成分と反応することで酸化を促進するため、ワインの品質を損なうことがあります。特に、タンニンの含まれる赤ワインは光による変色が顕著で、色や味の変化が起こります。
光にさらされたワインは、時間が経つにつれて香りが薄れ、風味が落ちることが多いです。
光による影響を避けるためには、保管する場所に注意することが必要です。
直射日光が当たる場所は避け、保管場所は涼しく、暗く、換気が良く、湿度が適切な場所を選びましょう。
ワインセラーなど、光や温度を管理できる専用の設備があると良いですが、自宅で保管する場合は、クローゼットや地下室、押し入れ、キッチンなどが適しています。ただし、キッチンの場合は、調理時に発生する熱や湿気、調味料の匂いなどがワインに影響を与えることがあるため、注意が必要です。
また、ワインボトルのラベルに光が当たることも避けるために、ワインボトルを保管するラックや箱を使用すると良いでしょう。ボトルをラックに収める際には、ワインボトルの向きにも注意が必要です。ボトルを横向きに置くことで、コルクが湿気を保持し、空気に触れないようにすることができます。
光による影響を避けることで、ワインの品質を長期間維持することができます。特に、高価なワインを長期間保管する場合は、光による影響を避けることが必要不可欠です。ワインの風味や香りを長く楽しむためには、保管する場所と方法に十分な注意を払うことが大切です。
④置き方:横置き
ワインボトルを横置きにすると、コルクに接するワインがコルクに浸透し、コルクの湿気を保つために一定の圧力をかけます。この状態で保管すると、コルクが柔らかくなり、ワインの酸化や味の変化を防ぎます。こうすることで、ワインの味や香りを最大限に楽しめるようになります。
ワインを横置きに保管する際の注意点は、次の通りです。
まず、ボトルを横向きに置く前に、沈殿物を底に沈めるために、瓶を立てた状態で数時間放置することをお勧めします。
また、横向きで保管をする場合は特に湿度に気をつけてください。湿度が低く、コルクが乾燥すると、ボトルの中のワインがコルクを抜けて溢れてきてしまいます。
一方でスクリューキャップやコルク以外の栓のワインの場合は必ずしも横置きにする必要はありません。横置きにする最も大きな理由はコルクの乾燥を防ぐことなので、こうしたワインは縦置きでも、横置きでもどちらでも構いません。
ですが、5-10年以上といった長期で保管をする場合は、どういったワインにせよ横置きをおすすめします。
スクリューキャップやコルク以外の栓の場合、栓を通して酸素がボトルの中に浸透するということはほぼありませんが、中身のワインは少しずつ熟成をしていきます。
その際に横置きで保管をしているほうが均一に中身の成分が保たれるため、よりよい熟成の変化をさせることができます。
特に理由がないのであれば、どういったワインにせよ横置きで保管することをおすすめします。ホームセンターなどで販売している3-5段のカラーボックスなどを使用することで、スマートに横置きで保管することができます。
まとめ
保存方法だけでもこれだけ押さえるべきポイントがあるワイン。
ですが、慎重に扱わなければいけない分、飲んだ時の至福のひとときは他の飲み物では味わえない時間になります。
周りや時間を気にせず、自分のペースでワインを楽しめることが、自宅で飲む醍醐味ですよね。
そんな至福のひとときを過ごすために、解説したポイントを守って美味しいワインを楽しんでください。